気合充実便
世の中には何歳であろうとも
気合と気力で生きている人間が一定数存在する。
私の母もその一人だ。
私たち兄弟が学生の頃は、
母は自分のフルタイムの仕事が終わってから
牛乳や野菜を箱につめ、
高速を飛ばしてそれぞれのアパートに届けたりしていた。
お金は十分に仕送りしてもらっていたので、
わざわざ生鮮食品を直接ドアまで届けてもらう必要はないのだ。
宅配業者を通じて生鮮食品が届く心温まる話は良く聞く。
友達だったり、テレビの芸人さんだったり、
やはりお金だけでなく、直接ものが送られてくる人は多いらしい。
「牛乳まで入ってたりして、なんでって思った」
「でも今となっては母の愛だったなぁって思います」
私もそう思う。
しかし
私の母の場合はそれをあくまで
”自力で”届けることで
真心を届けるタイプだったのだ。
そんな夜中の宅配人の顔を持つ母の帰りはもちろん、
半居眠り運転状態。
彼女いわく
「気づいたら、あぜ道に入りそうになっていた」とか
「気づいたら、船をこぎそうになっていた」
”気づいたら”の一瞬はきっと眠気に襲われていたんだろう。
今日も元気で生きていてくれて
どうもありがとう。