私が運転中にロックを聴かない理由

それは、
ロックのサビでアクセルを
踏み込む可能性があるから。

その昔、
子ども達を保育園に迎えに行くときに
職場から出るのが遅くなって
慌てていたことがあった。

下の子が一歳ちょっとすぎた頃だ。

私の仕事は楽しかったが
当時の家庭の事情でやっていた
仕事はフルタイムだった。

夕方５時ちょうどにあがれたものの、
早く迎えにいってやりたい気持ちで
気もそぞろに職場を出た。

「こんな時こそ”急がば回れ”だ」

と、自分に言い聞かせ
エンジンをかければそのままついている
ラジオをそのままかけながら出発した。

その日は夕日がとてもきれいで
いつもの直線コースもオレンジと黄色に
輝いた空気で満たされていた。

ラジオからはエアロスミスの曲。

「ドンワナ　クローズマ　アーイズ」

聞こえたまま書けば
こんな感じのサビ。

直線のポワーンとした
オレンジと黄色の光につつまれたまま

気持ちよくなってきて
アクセルを更に踏み込んだ。

すると、

かなりの前方に人が現れ
体の前で両腕を
クロスしながら振っている。

止まれということだろうか。
それにしても
工事をしている風には見えないが。

「いやだな、通行止めかな」

まだ私は気づいていなかった。

その彼の前で車を止める。

「はい、○キロオーバーでーす。
免許証見せてください」

ここでやっと気づいた。

エアロスミスのサビで
気持ちよくなって
アクセルを踏み込んだときに
計測されたのだ。

あちらはあちらで
よくもこんな直線道路で
よくもまんまとスピード上げたな、と
思っただろう。

引越しを控えていたから
かわいい子どもを預けて
フルタイムで仕事をしていたのに
一万円以上の罰金を請求された。

それからは

自分が運転している時は
絶対に気持ちよくなってしまうサビのある
ロックは聴かないことに決めている。

以降、
無事故無違反徹底中だ。

どうもありがとう。