ぷにっとありがたい日々

何事にも感謝をする毎日。

雨の中締め出し。どうする?

大概の人と同じように
私も出かけるときは、

「携帯、鍵」

と心で確認する。

それが、今日に限って
わざわざ忘れないように
パッと見てわかるところに
置いて置いたはずの携帯がない。

何十秒でもなかったが、
グルっと見渡しても見つからず
出発の時間が来てしまった。

“仕方ない、携帯なしで出かけてしまおう”

と、玄関のドアを開けると
なんと先に出ていた息子の手に
私の携帯が。

いじって遊んでいる様子。

「あ、ちょっと!
それ、どうして持ってるの!?」

と、彼から携帯を取り返しながら
後ろ手で思わず
玄関のドアを閉めてしまった。

あ・・・。

締め出された・・・か?

とっさにハンドバッグを漁ったが、
やはり鍵は入っていなかった。

”鍵はまだ家の中だ“
と締め出しが確定し
愕然とした。

よりによって
雲行きも怪しく、
雨がポツポツ降り出した。

すぐそこに車もあるのに
家の鍵と車の鍵は一緒。

家の鍵を持っていないということは
車の鍵も持っていないのだ。

だから、車の中で
雨宿りするわけにもいかない。

息子と娘を目の前に

頭の中のコンピューターが
一体どうしたものか、
とフル回転した。

まずは
近くにあった小枝を
差し込んで回そうとしたが
折れてしまうだけでダメ。

次に
一本だけハンドバッグに入っていた
ヘアピンで、
よく漫画の泥棒がやるような方法で
鍵が開けられないか試したものの
全く上手くいかない。

困り果てて思い出したのは、
向こう隣のおじさんが
自宅の柵を一生懸命直していたこと。

“そうだ、おじさんに道具を借りよう”

と、おじさんを訪ねていって
スクリュードライバーなど
何本か貸してもらって
解錠を試みたがやっぱりダメ。

鍵穴の作りがしっかりしていて
素人と小道具では
到底開けられないようになっていた。

夫は仕事中で
連絡を取っても
すぐに返事が来ない状態。

だからといって、
何万かかるかわからない
鍵の専門家を呼ぶか。

いや、そこまで大ごとにしなくても

どうにかならないか。

普段はそこまで頻繁に合わない
義父に助けをもとめることにした。

たまたま義父の誕生日が近く、
先日一緒に食事をしたばかりだったのだ。

そうでもなければ
なかなか彼のことを
思いつかなかったかもしれないし
頼みづらくもあったかもしれない。

しかし、電話をしたとしても
いわゆる家電しか持っていない義父が
もし外出中だったら本当にアウトだ。

一か八か、
ドキドキしながらかけると
2、3回鳴ったところで出た。

事情を話すと
二つ返事で
すぐに駆けつけてくれた。


その後、
夫の職場まで送ってもらい
夫から鍵をもらい、

息子と娘は
この締め出し事件前に
行く予定だった習い事へ。

私はまた義父に家まで送ってもらって
帰ってきた。

またここから車で子ども達を
迎えに出なくてはならなかったが
そんなことはもうどうでも良かった。

小雨の降る中
締め出しを食らったのは
ドキドキして焦ったが、

幸いにも普段より
義父を身近に
感じられていた時だったので
助けを求めやすかった。

芸術系の彼は
機嫌の浮き沈みが激しくて
少しとっつきにくい事も
あるのだが、

今回は
「俺も締め出しくらったことがあるよ。
何かあったらいつでも言って」
と何度も言って励ましてくれた。

行き帰りの車での会話も楽しかった。
締め出しを食らわなかったら
なかなか一対一で話す機会もない義父。

おかげで素敵で
忘れられない時間になった。

色々な人に心配をかけたり
煩わせたりしてしまう
締め出し。

今度からはもっともっと
気をつけられるだろう。

どうもありがとう。